現実を操る異色の画家・ミヒャエル・クーデンホーフ=カレルギー氏が亡くなる1週間前に描いた『TAGAWA』とは…

現実を操る異色の画家・ミヒャエル・クーデンホーフ=カレルギー氏が亡くなる1週間前に描いた『TAGAWA』とは…

・ミヒャエル・クーデンホーフ=カレルギー絵画遺作展

2019年3月9日(土)10日(日)に、田川市新町にある「Community Space area H&K」にて、オーストリアの画家ミヒャエル・グーデンホーフ=カレルギー氏の絵画遺作展が開催されます。

▼チラシ表面
ミヒャエル・クーデンホーフ=カレルギー 絵画遺作展

最大の見どころは、世界初公開となる作品「TAGAWA」。2018年12月26日に永眠したミヒャエル・グーデンホーフ=カレルギー氏が、亡くなる1週間前に描いた作品なのだとか。作品には “田川の象徴” である「香春岳」や「セメント工場」などが見事に描かれているそうです。

・ミヒャエル・クーデンホーフ=カレルギー氏とは

ミヒャエル・クーデンホーフ=カレルギー氏は、クーデンホーフ=カレルギー伯爵家(ボヘミア貴族の一族)の人物であり、オーストリアの画家。ちなみに、祖母のクーデンホーフ=カレルギー・光子(旧姓名: 青山みつ)さんは、日本人で初めて正式に国際結婚をした方らしい。

▼チラシ裏面
ミヒャエル・クーデンホーフ=カレルギー 絵画遺作展

──んで、なぜミヒャエルさんが「TAGAWA」を描くことになったのか? どのような思いが作品に込められているのか? 等は、記事最後の「イベントの案内」に詳しく書いてありますので、ぜひ読んでみてください。イベント主催者である花石さんの熱い気持ちもきっと伝わると思います。

・今回ご紹介したイベントの詳細

名称:ミヒャエル・クーデンホーフ=カレルギー 絵画遺作展
日時:2019年3月9日(土)~10(日)10:00~18:00
会場:Community Space area(エリア) H&K
住所:福岡県田川市新町11-4 新町ビル1F
料金:無料
特典:来場者にはカレルギー氏 最期の作「TAGAWA」のポストカードがプレゼントされます
主催:Community Design TAGAWA
協力:株式会社ほるぷA&I / 江夏画廊株式会社 / TAGATAN CLUB(たがたんクラブ)

▼Community Space area(エリア) H&K
田川市H&K

・イベント主催者による「個展開催の経緯と概要

昨年末、2016年9月10日(金)~12日(月)田川文化センター展示ホールにて開催した「チャリティー企画国際巨匠絵画展」の招待画家として、多くの原画を出品いただいたオーストリアの画家ミヒャエル・クーデンホーフ=カレルギー画伯がお亡くなりになりました。

画伯の作品集の中に、炭坑やセメント工場を描いた作品があり、絵画展を主催した私、TAGATAN CLUB代表花石恵子のふるさと香春町のセメント工場にとても似ており、会期中画伯に、香春岳とセメント工場をご覧いただきました。画伯は大変感動し、「早く知っていたら、これを絵に描いたのに、きっとまた来て、描きます!」と。

私の祖父も、父も日本セメント香春工場に勤め、幼少期は社員社宅で、小学校からは、香春岳の麓で、発破の音と揺れを感じながら、砕け落ちる石灰石を見ながら育ちました。思わず画伯に、「香春のセメント工場を描いてくださったら、おいくらでも買います!」と約束しました。

2年後の2018年9月25日。画伯は、オーストリア大統領より「オーストリア共和国科学芸術功労十字賞一等級」を授賞され、奥様とともに日本に在住していたため、麻布のオーストリア大使館公邸にて、大使より授与し、祝賀会も盛大に行われました。

大変有難いことに、私もそこにご招待いただき、出席させていただきました。かなり痩せてスマートになった画伯はとてもカッコよかったですが、肺がんを患っていました。(82歳)

私の父は80歳ですが、数年前からパーキンソン病を患い、介護が必要な状態となり、昨今の香春町のセメント工場の煙突や工場が取り壊されていく様を見る度に、以前はあんなに元気で社交的だった父と重なり、涙があふれました。

父に、煙突のある日本セメント香春工場を見せたい!半分になってしまった香春だけではなく、恐いほどに勇ましかった香春岳とともに煙突を見せたい!そう強く思いました。

オーストリア大使館で、画伯の奥様にその旨をお話ししました。奥様は大変共感し、画伯に伝えてくださいました。  

画伯も大変共感いただき、田川絵画展の折に、レセプションパーティーでプレゼントした「たがたん」のぬいぐるみを自分の机に置いて、毎日毎日見ています!「タガワ、ダイスキデス!」と、満面の笑みの天真爛漫な画伯でありました。

がんの進行もあり、タイムリミットは近いかもしれない!と、長年に亘って、画伯のお世話をされている江夏画廊 江夏氏が、12月5日、田川に、香春町に来てくださり、先生に見せるために、様々に写真や動画を撮ってくださいました。日本セメント香春工場は、太平洋セメントとなり、現在は、香春鉱山が管理しています。私たちの突然の訪問にも関わらず、敷地内で工場を見せてくださいました。

12月12日、江夏氏を通して画伯へ、作品制作の依頼をいたしましたが、かなり病状が悪化し、画伯も奥様も悩まれたそうですが、「何とかやってみよう」と描き始めたそうです。

完成した作品には、画伯が、様々な写真などの資料からイメージした構図、なんと、削られる前の威風堂々とした姿の香春岳が描かれていました。そして、中央には、私のリクエストであった父を通しての尊敬と感謝の意を込めた「日本セメント香春工場」の文字が入った煙突が描かれていました。さらに、そこには、その位置からは見えるはずのない三井炭坑の竪坑櫓が描かれ(チャリティー絵画展の時にワークショップでも竪坑櫓をたがたんのそばに描いていました)、そのそばを平成筑豊鉄道が走っています。石炭を運んだ列車、セメントを運んだ列車。列車も大好きなカレルギー氏らしい構図であります。

本来なら、力強く、かつ、繊細なタッチで、油彩で表現したかったそうですが、余命を宣告されながら、奥様に抱きかかえられながら、腕を支えられながら、懸命に書いた水彩画となりました。

2018年12月26日永眠。19日の明け方、最期の絵にサインしてから7日後のことでありました。

正に、田川の、香春の風景が、ミヒャエル・クーデンホーフ=カレルギー画伯の遺作となりました。

命を削りながら、最後の魂を込めた、削られていない香春岳に、新たなる命の蘇りと、この町の再生を願っているかのように感じます。

チャリティー絵画展には、20名ほどの画家の中からご縁を感じ、カレルギー氏を指名しました。御祖母様が、日本人初の国際結婚をした青山光子様であり、叔父様は、EUの創始者であるリヒャルト・クーデンフーフ=カレルギー氏。田川市が青山学院と英語授業の連携をしたこともあり、EU解散の危機もあったこともあり、カレルギー氏を招待画家に指名しました。

それが、まさか、オーストリアの有名な画家の人生最後の作品に田川を香春町を描いていただくことになろうとは、縁という言葉では到底足りないほどの因果であります

この、カレルギー氏の魂の情熱を是非、一人でも多くのみなさんに見ていただきと思い、今回の個展開催となりました。

ほるぷA&I様、江夏画廊様のご協力により、他のカレルギー氏の作品も原画・版画を合わせて、16点展示いたします。

もう、描くことのできない、田川にご縁のあった画家の最期の作品を是非、ご覧ください。

また、江夏氏によるカレルギー画伯作品のギャラリートークも予定しております。画伯の作品の想いや、田川でのエピソードなど、是非、ごゆっくりお楽しみください。

展示作品のご購入もできます。

どうぞ、お気軽に、お越しください。ご来場のお礼にポストカードをプレゼントいたします。

▼2016年当時の写真
田川市役所

観光・イベントカテゴリの最新記事